子供の口臭
子供の口臭の原因
乳児から3歳まで
乳児期は体の機能のみならず、基本的な口腔生理機能が未熟で、なおかつ離乳食などの流動食が多いものです。このため自発的な口腔ケアができないことからくる口腔内環境の悪化(pHの低下)が、この口臭の原因となることが多いとされています。
また免疫力も低く、とりわけウイルス性の疾患に罹患しやすいため、一次的に病的な口臭を引き起こすことがあります。
このため、保護者による適切な口腔ケアや感染予防が不可欠です。
2歳以降は歯ブラシを持たせて歯を磨く習慣(保護者による仕上げ磨きは必要)を身につけさせ、鼻呼吸習慣の確立や口の周り、舌の筋肉、顎の発達を促すことが重要な時期といえます。(このため2歳までのおしゃぶりは日本小児歯科学会では有効とされています。)
また、十分なスキンシップや呼びかけなどのコミュニケーションは、口腔機能を阻害するストレス緩和的効果があります。
3歳以降から学童期
この時期の原因としては、う蝕による歯科的問題、耳鼻咽喉科的な慢性炎症が原因となることが多いとされています。
これらの背景としては、未熟な歯磨き習慣、食生活習慣、咀嚼習慣、口呼吸習慣およびアレルギーが考えらえれます。
花粉症をはじめ食物アレルギー、ハウスダストアレルギーなどのアレルギーは、慢性的な鼻詰まりから口呼吸に陥りやすいとされています。
特に後鼻漏などが原因である咽頭部由来の口臭を引き起こしやすく、適切な専門的ケアを受けるのが望ましいです。
また治療に使用される抗ヒスタミン剤の連用は、口渇を招き口腔乾燥を引き起こすので口臭の原因となります。
そこで、まめな水分補給といったセルフケアも必要となります。
今日の問題
現代食生活の傾向では、咀嚼力の上がる食生活(和食や、硬めの具材を食べる)を心掛け、咀嚼を増やすことにより口腔内の食物残渣を停滞させないpHを下げない工夫が必要です。
また、室内で長時間スマホを見たりゲーム機による遊びで、常に下向きの目線で過ごす姿勢では無意識に奥歯を噛みしめ舌が動かなくなる結果、唾液の流れが悪くなります。
このため、自浄作用が低下し口腔内の最近環境が悪化し緊張時の口臭の持続が問題となっています。
また、下向きの姿勢の持続は、胸郭も狭く浅い呼吸になるため呼吸効率が低下し、慢性的な疲労時口臭を引き起こします。
さらに、ゲームやTVなどを見ながらの「ながら食べ」の習慣や、孤食習慣は健全な食生活が身につかず、十分な咀嚼ができなくなり、その結果咀嚼力が低下します。
軟かい食材ばかりを好んで口にしたり、糖質の多いおやつや飲料の「ダラダラ食い」は、口腔内に食物残渣が長時間残り、口腔内のpHの低下、さらには唾液緩衝能力お低下を招くことになり、う蝕リスクを増大させるのみならず、酸性臭の口臭を引き起こしやすくなります。